ここ最近で日用品以外の買い物にいつでかけただろうか、と振り返ってみると、いかに自身がECを利用して生活をしているかに気づかされる。それほどECは私たちの生活に欠かせないものになっており、おそらく今後は日用品すらもその買い物体験が代行されていくのだろう。
しかし、そんな便利なECにつきものなのが配送や在庫管理などの業務だ。これがかなり面倒で時間がかかる。今回、その出荷作業時間を70%も削減できるというニュースが発表された。
株式会社ニューレボが提供するクラウド在庫管理のSaaS「ロジクラ」は、世界最大級のEコマースプラットフォーム Shopify Inc.とのAPI連携に対応したと発表した。
これによりShopifyでの受注データをロジクラにAPIで取り込み、iPhoneで商品のピッキング、検品の作業など物流作業を効率化することが可能になるという。
Amazon、Paypalに続くShopifyとは?
Shopifyは越境ECの本命ともいわれる2006年カナダでスタートしたECプラットフォームサービスだ。
世界175カ国、40万店以上のネットショップで活用されており、世界で最も大きなECプラットフォームとして認知されている。その年間流通総額は3兆8000億円にものぼるといわれ、Amazon、Paypalに続くものだ。
そのビジネスモデルは、固定費としての出店料と取扱高に応じた手数料を徴収するというもの。
管理画面が操作しやすく、簡単にECビジネスをスタートさせることが特徴だ。
発送業務のすべてをクラウドで管理
今回の提携により、EC事業者は、Shopifyでの受注リストをロジクラとAPI接続し、iPhoneを使って物流ピッキング作業、バーコードを読み取る検品作業、宅配会社の送り状の発行までをクラウドで管理することができるようになった。
その効果は、自社で出荷作業を行うEC事業者の作業時間を70%も削減できるという。
以下で、その具体的なフローを画像とともに説明する。
まず、Shopifyで注文を受ける。そうすると、受注リストがロジクラにAPIでインポートされる。
次に担当者は、iPhoneで、スマホに書いてある写真通りの商品をピッキングする。
そして、iPhoneのカメラでバーコードを読み取り、検品作業を行う。
最後に、ロジクラで宅配会社の送り状を発行し、これで物流作業が完了となる。
今回の連携には、Shopify利用者の物流オペレーションや在庫管理の効率化が狙いだ。今後ロクジラは、複数のカートシステムやECオンラインショップの物流作業や在庫管理をクラウドで一元管理できることを目指すという。そして、ロジクラは今後1年で国内のカートシステムとの連携を進め、また越境ECへの対応も予定しているとしている。
ますます拡大するECビジネス
今回のポイントは、出荷作業時間を70%も削減できるという点だろう。実は、筆者も簡単なものだがECビジネスを手掛けてみたことがある。ところが、発送作業に手間と時間がかかり、挫折してしまった。
筆者と同じく、出荷作業の煩雑さによってECを挫折してしまう人は案外多いのではないだろうか。今回の連携により、ECビジネス参入はハードルが低くなり、今後ますます市場は拡大していくにちがいない。