何か情報を発信する際、日本語で発信するとその情報獲得の対象者は日本国民のみとなる。ただ、その情報を知りたいのは果たして本当に日本人だけだろうか?
英語で発信することができれば、一気にその対象者数は何倍にも跳ね上がり、今まで見えていなかったマーケットの掘り起こしができることだろう。
また、近年増加するインバウンドビジネスにも情報発信は欠かせない。その情報発信ツールとして、現在、もっとも活用されているのがSNS(ソーシャルメディア)だろう。SNSを使った多言語での発信を用いることができれば、ビジネスチャンスの広がりが期待できる。今回、SNSを英語・中国語・韓国語で代行運用するというサービスが登場した。
アディッシュ株式会社のCtoCサービス向けカスタマーサポート・アクティブサポート・Web接客などをパッケージサービスとして支援するフロントサポート事業部は、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSを活用して、海外へ情報発信を検討する国内企業向けに「海外向けSNS運用代行」サービスの提供を開始した。
SNSの選定、アカウントの開設から運用、報告までワンストップでサポートすることで、海外にいる潜在顧客の開拓、獲得に繋げるという。
海外向けSNSのハードルを一気に解決
日本政府観光局(JNTO)によると、2017年の訪日外客数は約2,869万人となり、海外から日本への興味関心は増加している。
日本の情報をSNSやブログを通して収集する傾向もあり、SNSを活用した海外向け情報発信を考えている企業も多く見受けられるが、海外向けSNSの運用を開始するには多くのハードルがあり、実施に踏み切れていないのが現状だ。
そのハードルとは、
- アプローチしたいユーザー特性に適したSNSの選定が難しい
- 海外SNS文化を踏襲した翻訳チームの体制を構築できない
- 利用するSNSのトレンドに合わせた文章作成ならびに継続的な投稿が困難
- 人員的な問題
などが挙げられる。
アディッシュの「海外向けSNS運用代行」は、これらのハードルを一挙に解決し、運用に関わる事前準備の段階から投稿、モニタリングまでワンストップで提案するサービスだ。
訪日外国人だけでなく、海外在中で、日本のモノ・コト・サービスなど、日本に関心がある外国人へ情報を発信したい企業を全面サポートする。
英語、中国語、韓国語に対応。SNSの選定から運用まで一気通貫で代行
このサービスは、Facebook、Twitter、Instagramといった SNSの中からその企業に最適なSNSを選定、運用における想定効果を提案する。
そして、返信対応方針の決定、緊急時や問題が発生した際の企業側担当者への報告体制などの運用体制の確保を行う。
また、ライティングにおけるトーン&マナー(キャラクター)の設定、予算に合わせた投稿数の提案と調整など、運用詳細の設計の運用詳細の設計も行ってくれる。
加えて、国内向けSNS運用代行とSNSマーケティングで培った経験値を取り入れた、海外向け運用のコンサルティング、カスタマーサクセスを意識したSNS活用、ネイティブレベルのスタッフによる文脈に適した表現、目的に応じたプロモーション(SNS広告、キャンぺーン)の提案、といった特徴を持っている。
対応言語は、英語、中国語、韓国語の3カ国語。フィリピンにあるアディッシュの海外オペレーションセンターで、ネイティブレベルでの翻訳投稿とモニタリングを行う。
・海外向けSNS運用代行
盛り上がるインバウンド。スマホやAIを使った多言語サービスも
インバウンドビジネスや越境ECの盛り上がりを受け、このような、多言語対応サービスは、既にいくつか登場している。たとえば、NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は、企業向けに、AIによる超高精度の自動翻訳を実現する「AI翻訳プラットフォームソリューション」(「AI翻訳PF」)の提供を開始した。
これは、簡単な操作で、ビジネス文書などを超高精度で翻訳することが可能だ。日本語から英語、および英語から日本語への翻訳に対応。今後、中国語など他言語への対応を予定しているという。
また、AIとスマホを活用したサービスもある。Deaps Technologies株式会社は、地域や事業者のWEBサイトのアクセス情報に、サービス導入拠点を中心とした周辺観光情報を追加、表示する、次世代スマートマップ「chizco(チズコ)」を開発し、提供開始した。
chizcoはPCやスマホを活用したスマート観光マップ。たとえば、知りたい周辺情報のジャンルを選択してみると、観光地やグルメといった定番スポットから、ガイドブックに載っていない穴場スポットまで、近い順にみつけて訪れることができる。
また、ローカルガイドアプリ「Deaps」でのユーザー投稿により、 実際に観光客が訪れたおすすめスポットが随時追加されているという。 おすすめしたい観光情報がまだ登録されていなければ、ホームページを改修することなく、 自身で投稿・chizcoに反映することもできる。
グローバル化の壁「言葉」の問題を取り払う
近年、さまざまな分野でグローバル化が進んでいる。企業のビジネスターゲットは、もはや国内のみではない。
しかし、グローバル化の前に立ちはだかるのはやはり「言葉」の壁である。アディッシュの「海外向けSNS運用代行」は、言葉の壁を取り払い、海外向けSNSのすべてを引き受けてくれるとのこと。今後、企業の強力な味方となってくれるかもしれない。