Webコンテンツを制作する際、難しいのが画像の取り扱いだ。昨今、著作権の問題が取り沙汰されており、その監視の目も厳しくなってきている。
その問題を解決してくれるサービスとして、ストックフォトサービスがある。しかし、どうしてもフリー素材(もちろん有料のものもあるが)である感じが拭えないことも事実なため、画像をしっかり見せたいコンテンツの場合は既存のストックフォトサービスを使用していても難しい場合がある。
今回、そんな不満を解消してくれる写真マッチングサービスが登場した。grame株式会社は、企業とユーザーをつなぐ写真マッチングサービス「Photo+me(フォトミー)」の企業版をリリースした。
会員がインフルエンサーとなるプロモーション画像作成が可能
Photo+meは、同社会員のInstagramユーザーの出品画像を購入することが可能で、ユーザー体験を通じたリアルな写真(UGC/ユーザー生成コンテンツ)の利活用が可能になる。
オリジナルなプロモーション素材を探している企業や、短期間で大量に素材を収集したい企業をターゲットにしている。
企業がプロモーション画像をオファーという形で、会員から画像を募集することもできる。そして、会員はインフルエンサーとなり、より広い拡散が期待できるという。
また、会員の写真に「いいね」をしたInstagramユーザーの属性を独自解析する。この解析結果に基づいて、プロモーションの内容・ターゲットにマッチした写真を自動レコメンドする。
このように、会員のインスタグラマーから写真を購入して、プロモーション画像を作ることができるのだ。通常画像の購入費用は、一律500円/枚となる。
今後も、ユーザー目線のコンテンツで「リアルな体験を提示できる点」を活かし、広告のクリエイティブおよびSNS素材としてUGC(User Generated Contents)の利用を推進していくとしている。
スマホで撮影した写真の投稿・販売サービスも
このような、ユーザーの素材を活用したストックフォトサービスは、以前、AMPでも紹介している。
ピクスタ株式会社が運営する「PIXTA(ピクスタ)」がそれだ。このサービスは、スマートフォンで撮影した写真の投稿・販売が可能である。
PIXTAは、写真・イラスト・動画・音楽などのデジタル素材のマーケットプレイスだ。プロ・アマ問わず登録でき、インターネット上でアップロードした素材は審査を経て販売される。
PIXTAではこれまで、デジタルカメラ以外で撮影した写真は受け付けない、という制限を設けていた。しかし、デバイスの進化による画質の向上、SNS映えする自然な写真の需要、アジア展開におけるローカルコンテンツの強化といった理由から、スマートフォンやタブレットなどのデジタルカメラ以外で撮影した写真もPIXTAで販売できるようになった。
また、スマホ写真の購入・販売ができるサービスとしては「Snapmart(スナップマート)」が、以前から存在していた。Snapmartは、2016年6月からスタートした、スマートフォンで撮影した写真を売買できるアプリだ。
アプリで写真を選んで、タグやコメント、位置情報を指定すれば、すぐに1枚100円での販売を始めることが可能。出品から報酬の受取まで、全ての操作がアプリ内で完結する。
スマホの画質向上が企業とユーザーの懸け橋に
最近では、スマートフォンで撮影した写真の画質は、こういった写真マッチングサービスの審査基準をクリアできる状態まで高くなっているという。また、SNSを意識したマーケティング活動が活発になり、画像を購入する企業の需要も増えている。
Photo+meもこうした背景のもとに生まれたサービスだ。たとえ、プロではなくても、質さえ高ければ自分の撮った写真を広く認めてもらえる。また、企業にとってもいい素材を集めやすく、お互いにとってメリットのあるサービスといえるだろう。