1週間のうちにあなたはどれだけ睡眠時間が取れているだろうか?
人手不足の企業が多い近年では、食事時間も削ってまで、夜遅くまで仕事をしなければならないという状況も多いだろう。それによって多くの人が悪影響を受けているのが安定した睡眠の確保だ。睡眠不足は、生産性の低下や健康被害などさまざまな弊害が問題視されている。
適度な睡眠は集中力を高めるともいわれており、最近では昼寝を導入・促進している企業もあるという話も聞く。パワーナップという言葉も登場したぐらいだ。
では、睡眠における改革を意識している人としていない人では、どれだけの差が出ているのだろうか。レイコップ・ジャパン株式会社が日本のビジネスパーソン1000人に実施した「働き方改革と睡眠」に関する意識と実態調査から状況を分析していこう。
睡眠の“質”は発展途上。睡眠にこだわる人は、睡眠環境の“温度”に注目していた
このアンケートでは働き方改革が実践されている企業で働く「実践層」と実践されていない「未実践層」のビジネスパーソンの睡眠を比較した。
実はあまり知られていないかもしれないが、日本人の睡眠時間は世界的にみても短い。2014年に経済協力開発機構(OECD)が世界29カ国を対象に15~64歳の国民平均睡眠時間では、韓国に次いで世界で2番目に短かかった。
レイコップ・ジャパンが行なった調査では以下の3つの観点から睡眠を分析している。
- 睡眠の質対策:対策あり派と対策なし派
- 働き方改革と睡眠時間
- 働き方改革と睡眠の質
それぞれの項目について内容を分析していこう。
睡眠の質対策では、睡眠の質にこだわる睡眠エリートたちは、いち早く“睡眠温度”に注目していた。
ビジネスパーソンの13.8%が睡眠の質にこだわり、何らかの対策を実践している睡眠意識の高い“睡眠エリート”であった。この約3割が、睡眠の質を高めるためには寝るときの「温度」(29.0%)に配慮していると回答していたのである。
これからの睡眠改善は寝具や照明はもちろん、温度にも注目していく必要がありそうだ。
働き方改革と睡眠時間では、働き方改革によって睡眠の量に差が出たことが判明した。働き方改革を実施している層では、睡眠満足度は向上しており、結果として仕事のパフォーマンスにも良い影響を与えていた。
仕事に対する“集中力”、“記憶力”、“注意力”、“モチベーション・積極性”、“充実感”など、仕事に対するパフォーマンスや意欲が未実践層よりも総じて高いのが特徴だ。
また働き方改革と睡眠の質の関係では、残念ながら多くの人が睡眠の質の改善にはいたっていないことが判明したが、82.4%のビジネスパーソンが現在の睡眠環境を改善したいと考えているようだ。しかし、働き方改革によって睡眠の質が改善されていないとしているビジネスパーソンが7割であるという結果をみると、これからは働き方改革が睡眠においてどんな影響を与えていけるかを考える必要性があるのかもしれない。
良質な睡眠をとることも優秀なビジネスパーソンの条件
仕事において重要だとされる要因はさまざまあるが、どんな分野においてもそのパフォーマンスが発揮されることが望まれる。そのためには睡眠を含めた普段の生活を改革するところも今まで以上に重要視されていくことだろう。
睡眠に対する見方が変わってきた今、将来的に出来るビジネスパーソンの定義の1つに、“質の良い睡眠が取れる”が加わる日もそう遠くないのかもしれない。
img; PR TIMES