コンテンツマーケティングというマーケティング手法が広く利用されるようになった。そして、その手段として多くの企業がオウンドメディアを作り、しのぎを削っている。

オウンドメディアの制作、運営代行を行うAppmart株式会社が実施した「2017年のコンテンツマーケティングに関する調査」によると、現在67.9%の企業が運営・制作をアウトソーシングしていることが分かったという。今回は、この調査結果を紹介する。

67.9%以上の企業が何らかの形で外部委託

この調査はコンテンツマーケティングに関わる担当者331人を対象に、自社コンテンツの目的や運用コスト、成果を実感するまでの期間や獲得につながったコンテンツの種類などを調査したもの。

具体的には、

Q1. 業種について
Q2. 従業員数について
Q3. コンテンツマーケティングの目的について
Q4. 運営体制について
Q5. 月間の運用費用について
Q6. もっともコストがかかっているものについて
Q7. 成果を実感し始めた時期について
Q8. もっとも獲得(CV)につながったコンテンツについて
Q9. これがあればもっと成果を早めることができるという項目

の9つの設問に答えてもらった。

その中でQ4の「あなたのお勤めの企業で、コンテンツマーケティングの運営体制にもっとも近いものを教えてください。」には、「コンテンツ制作・分析改善・運営はすべて自社内で完結」が24.8%だった。

続いて「コンテンツ制作だけアウトソースし、そのほかは自社内で運営」が20.2%。「コンテンツ制作だけ自社で行い、そのほかはアウトソース」が19.0%だった。「その他」や「わからない・答えられない」を除いても、67.9%以上の回答者が何らかの形で外部委託していることがわかる。

月間の運営費用が100万円以上の企業は31.9%も

また、Q5 「あなたのお勤めの企業で、1カ月のコンテンツマーケティングの運用にかかる費用を教えて下さい。」には、月間の運営費用としては「30万円以上~50万円未満」と「50万円~100万円未満」がともに14.8%となった。そのほか100万円以上と回答した企業が合計31.9%となり、コンテンツマーケティングでの成果や期待がうかがえるとしている。

費用については制作するコンテンツの数や質、管理やアウトソースの範囲によって変動があるが、目標やKPIを定め必要な業務とそれに対しての費用算出を行うことが重要となるとしている。

最もコストがかかるのはアウトソーシング費用

Q6の「あなたのお勤めの企業のコンテンツマーケティング運用において、もっともコストがかかっているものを教えてください。」については、最もコストがかかっているのは「アウトソーシング(運営代行)費用」が23.6%となった。

自社に足りない業務を補える運営代行はコンテンツマーケティングのBPOとして注目されており、運用していくうえでは欠かせない存在になってきている。

次に多いのは「CMSなどのサイト保守・管理費用」(15.7%)。コンテンツの質や集客につながる「記事・メルマガなどテキストコンテンツ制作費用」(14.2%)や行動データの調査ができる「分析ツール費用」(13.6%)などはなかなか削りにくいところでもあるという。

「専門家などの監修・アサイン費用」(9.1%)は信憑性や専門性が求められる業界やジャンルでは必須の費用だと分析している。

成果を実感するのは6カ月経過後

そして、Q7「あなたがお勤めの企業でコンテンツマーケティングを始めてから、成果を実感し始めた時期を教えてください。」についての答えは、テキストコンテンツの検索上位表示や顧客の獲得など、企業によって「成果」はさまざまだが「6カ月経過した頃から成果を実感した」(26.9%)が最も多かった。

続いて「1年経過した頃から成果を実感した」(19.9%)と、多くの企業が成果を実感値として感じるのは6カ月~1年という結果になった。

また、「2年以上経過した頃から成果を実感した」(4.5%)や「それ以上経過した頃から成果を実感した」(3.3%)の場合は、SEO対策やペルソナ設計、コンテンツの質などが不十分だった可能性があるという。

一方、「初めてからすぐ成果を実感した」(10.3%)は、すでに顧客がWeb上に滞留しており、顧客獲得に向けて有益なコンテンツを投下したことによってCVRが改善した例などがあるとしている。

これらの調査結果から、これからコンテンツマーケティングを始める場合は、戦略設計(ペルソナやコンテンツ戦略、SEOフェーズ戦略など)をしっかりと行わなければ、成果が遠回りになってしまうこともあるので注意が必要だと提言している。

コンテンツの企画力と質が成功の決め手

この調査で、多くの企業がアウトソーシングしていることが分かった。成果を感じる時期については、6カ月 26.9%、1年経過が19.9%、合計46.5%と実に約半分の企業が1年で成果を実感している。

しかし、一方で2年以上とたたないと実感できていない企業もあり、数え切れないほどのコンテンツが生み出されているなか、これらを左右するのはユーザーにとっていかに有益なコンテンツになるか、という企画力と質にかかっていると言えるだろう。

img: PR TIMES