働き方は年々柔軟性を見せており、リモートワークやシェアリングエコノミーなど様々な働き方が実現してきている。売り手市場である状況もそれを後支えしている側面もあるだろう。
働き方改革はなにも正社員に限ったことではない。アルバイトやパートタイムの人材においても、今までのような働き方に順じる必要性はないはずだ。
そのような中、総合人材サービス、パーソルグループのパーソルキャリア株式会社は、店舗間のアルバイトスタッフシェアリングを実現するヘルプシフト管理サービス「Sync Up(シンク アップ)」をサービス提供開始した。
既存のアルバイトの稼働・生産性をどう向上させるか
昨今、企業は慢性的な人材不足、採用難の状況で、「今いる既存のアルバイトの稼働・生産性を向上させる」ことが重要になっている。
パーソルキャリアでは、このような状況下で企業が勝ち残るためには「採用」と「既存人材活用」の両面施策が重要だと考えているという。
「既存人材活用」を支援し、アルバイトを多く雇用する企業にとっての「人と組織の成長創業インフラへ」を実現する事業の一つとして「Sync Up」を立ち上げた。
空いた時間を持て余すアルバイター
厚生労働省が四半期ごとに実施している「労働経済動向調査」の2017年8月結果によると、調査対象産業計では、アルバイト・パート(調査では「パートタイム労働者」)は32期連続で従業員が「不足している」と回答した事業所が、「過剰である」と回答した事業所を上回っており、労働力不足が顕著となっている。
一方で、同社が実施した大学生を対象にした調査(2017年12月実施のアルバイト就業中の大学生600名を対象にしたインターネット調査より)では、約60%が「急に予定が空いてしまうことがある」と回答しており、その中で予定が空いてしまった時に「アルバイトをして時間を有効に活用したい」と回答した人が83.5%もいることがわかっている。
店舗間のスタッフシェアリングを実現
Sync Upは、飲食、小売、物流をはじめとしたサービス系企業を対象に、人手が充足している店舗のアルバイトと、不足している店舗のアルバイトをスマートフォンアプリ(Sync Up)で結び、店舗間のスタッフシェアリングを実現するヘルプシフト管理サービスだ。
Sync Upを活用することにより、アルバイトはヘルプとして好きな時間、好きな店舗で働くことができるため、人手の足りていない店舗のシフト稼働を上げることができる。
また融通の利くシフトを実現することで、アルバイトの離職防止、定着率の向上も目指す。
時間を有効に利用するシェアリングエコノミー
欧米では時間を有効に利用するという観点でのシェアリングエコノミーがすでにスタートしている。まずは、「宿泊する場所」をシェアするAirbnbが代表格。これは、民泊仲介サービスで、旅行のスタイルに一石を投じたと話題になっている。
また「ちょっとしたスペース」をオンデマンドでシェアするサービス「Pop Pods」がリリースされ、注目を集めている。Pop Podsは最短30分というスポット利用を中心に、ちょっとした隙間時間の利用を主とする。
また個人だけではなく、ホテルも、テンポラリーの場所貸しを始めている。サンフランシスコに拠点を置く「Recharge」がその例だ。Rechargeは提携先のホテルを、なんと1分単位で借りることができる。
「既存人材活用」をどこまで支援できるか
このように、欧米ですでにスタートしているシェアリングエコノミーの有効活用サービスは、外出先での空いた時間、いわゆる「スキマ時間」を有効に活用しようというものだ。
これに対し、Sync Upは労働力の「スキマ」を有効活用しようというもの。このサービスが「既存人材活用」をどう支援できるか、また、今後のこのようなサービスの成功したモデルケースとなるか、注目したい。
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