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2017年の流行語大賞に「インスタ映え」が選ばれたことで、「Instagram(インスタグラム)」は、今もっとも注目されているSNSの1つであることがわかる。
自分で撮影した写真をアップしたり、フォローしている人の写真に“いいね!”したり、インフルエンサーが紹介する商品に興味を持ったり、「Instagram」体験をした人は多いだろう。
今、このInstagramの浸透率やパワーの強さを、マーケティング施策や採用といった、ビジネスへの活用を模索する動きが目立ち始めている。
マーケティング施策と採用に「フォロワー数」を活用するOWNDAYS
2018年1月11日、株式会社オンデーズは「フォロ割り」の実施を発表した。
オンデーズは、メガネの製造販売を手掛ける企業。「フォロ割り」は、来店客のInstagramフォロワー数と、投稿に寄せられた「いいね!」数に応じて店頭で割引きを行うというもの。1フォロワー数が1円、OWNDAYSのメガネやサングラスを撮影した写真への1“いいね!”が20円に換算される。
普段何気なく投稿しているInstagramアカウント。そのフォロワー数や”いいね!”数を通貨のように換算し、割引に使えるようにすることで、SNS利用者を店舗へ呼び込むマーケティング効果を狙っているようだ。来店客は、遊び感覚で、ブランドのインフルエンサー体験ができる。
オンデーズでは、社内での積極的なSNSの活用を奨励している。商品やサービス、職場の雰囲気や様子など、スタッフは自由に発言、アップすることができるという。企業の認知度を高め、理解を深める機会を創出する。
SNSの活用としてオンデーズは、「インフルエンサー採用」も行っている。これは、採用の際に、1,500人以上のフォロワーがいる応募者には、選考フローを大幅にカットするというものだ。
他にも、「インスタ映え」に乗ったマーケティング施策を行っているリゾートホテルがある。
SNSを活用したリゾートホテルのマーケティング
奄美大島のリゾートホテルである、「THE SCENE amami spa&resort」も、「フォロ割」を実施している。
この「フォロ割」は、Instagram・Twitter・Facebookのフォロワー数を合計した数字に1円を掛けた分だけ、宿泊料が割引されるというもの。また、ホテル滞在中にアップした写真についた“いいね!”の数も割引に合算される。
この企画を発表したところ、Twitter上で話題となり、リツイートは14,000、いいねは19,000を超えるものとなった。メールでの問い合わせ数や、予約件数の増加が見られ、Twitterトレンド上位に「奄美大島」が入るなど、SNSの拡散力の強さを実感したという。また、宿泊客によるSNSへの写真投稿が増えることで、その後の集客の見込みも期待できる。
キャンペーンは、2018年2月28日まで行われている。この期間は、ちょうどリゾートホテルの閑散期である冬にあたる。その期間に増える空室を、「フォロ割」でSNSに強いユーザーに利用してもらい、マーケティングに活かしていくという狙いだ。
マーケティングでは、オンライン上のSNSと、リアルでの実店舗とのリンクが始まっている。
インフルエンサーマーケティングの常態化とこれから
Instagram・Twitter・FacebookといったSNSの利用が広がり、特に「インスタ映え」といった流行語に代表されるように、写真のインパクトによる情報の拡散は現在ビジネスの大きな施策として広く利用されている。
その広がりは前述の3つのSNSだけではない。コアターゲットに刺さる高いエンゲージメントを求める企業に対して、新たに広がりつつあるSNSにも注目しているプレイヤーが多数存在している。
誰もが発信者になることのできる現代では、きっかけさえあれば誰でもインフルエンサーになれる可能性がある。多数のフォロワーを抱えるインフルエンサーだけでなく、マイクロインフルエンサーも現在ではマーケティング施策として利用されている。もしかすると、今後は、一般人さえも企業のマーケティング施策のピースとして組み込まれていくのかもしれない。