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昨今の仮想通貨の盛り上がり方はすごいものがある。
ビットコイン価格の大幅な上下や、それに付随してイーサリアムやビットコインキャッシュなどの話題もことかかない。そういった仮想通貨はそれぞれブロックチェーンなどの技術によって支えられている。
このような中、決済ソリューション事業を営む株式会社インサイト、クラウドを中心としたICTサービスを提供するソフトバンク・テクノロジー株式会社(SBT)、高いブロックチェーン技術力を有するシビラ株式会社の3社は共同で、ブロックチェーン技術と決済データを活用した新しい信用情報プラットフォームの開発を行うと発表した。
決済データとブロックチェーン技術を融合
今回は、インサイトの家賃決済代行のノウハウ、電気料金などの生活決済データと不動産ビックデータとブロックチェーン技術を組み合わせ、多角的な情報を集約し管理する次世代型の信用情報プラットフォームを構築する。
第1フェーズである 2018年1月末終了予定の開発では、ブロックチェーンへのデータ保存と、サーバレスアーキテクチャによるデータアクセスを活用したシステムの構築を行う。
これにより、ブロックチェーン技術の特徴である対改ざん性、ゼロダウンタイム、暗号技術に基づいた認証、電子署名によるデータ証明、データトレーサビリティなどを活かし、またクラウドの冗長性を活かした安全で可用性の高い信用情報管理の実現を目指す。
ブロックチェーン「Broof」をベースに3社の技術を投入
インサイトはReFintech(※)企業として、生活決済プラットフォーム構想を推進している。この生活決済プラットフォーム構想は、自社が保有する決済・不動産のビックデータと新しい技術を融合した新サービスを開発することで、不動産業界のIT化、活性化に寄与する事業である。
※不動産テック(ReTech:Real Estate Tech)とファイナンス・テクノロジー(FinTech:Financial Technology)の造語
同社は、生活決済データは近い将来、データマイニングにおける最重要データになりうると考えており、今回もこの構想の一環として取り組む。
また、プラットフォームはSTBが構築する「Microsoft Azure」を利用する。これにより、全世界36リージョンを活用した世界規模の冗長構成だけでなく、国内2リージョンでディザスタリカバリ構成を構築することも可能となり、非常に高い地理冗長性が可能となる。
SBTはMicrosoft Azure導入により、クラウドでのブロックチェーン技術の実装と安定した運用サービスの実現を目指す。
ブロックチェーンにはシビラ独自開発の「Broof」を利用する。Broofはフィンテック以外でのブロックチェーン利用を目指したブロックチェーン技術。エンタープライズ領域にも適用可能な高い堅牢性・パフォーマンス・トレーサビリティを持ち、柔軟なスマートコントラクトの実行も可能だという。
さらに、将来的には「Azure Machine Learning」や「Cognitive Services」とも連携することで多種多様なデータを統合・分析し、次世代型の信用情報を創出していく方針だ。
個人情報管理に求められるより高いセキュリティや信頼性
今後は、情報管理だけでなく、インサイトが保有する決済ログに加え、全国の不動産会社が保有する不動産データや顧客情報、政府が保有するオープンデータ、マイナンバー情報の統合も視野に知れている。
また、それに留まらずWebサービスやモバイルアプリの利用履歴などのソーシャルビックデータも統合・分析し、次世代型の信用情報を提供することで、新しい信用経済圏の構築を目指すという。
インターネットによる取引の急増で個人情報の取り扱いが今後拡大すると予測される。しかし、その一方でシステム障害、外部犯によるハッキング、運営内部犯による情報流出・情報改ざんなどが社会問題となっている。
今後は、安心安全な取引を行うために個人(取引相手)の信用情報がますます重要になっていくと考えられる。今回の3社の取り組みが、より高いセキュリティ・信頼性・トレーサビリティを担保した個人情報管理の実現にどう影響を与えるか、今後の展開に注目したい。