LINE Clova、Google Homeに続き、AmazonEchoの販売も始まり、いよいよスマートスピーカー市場での競争がスタートした。

AppleのHomePodも販売を控えているが、それに先んじてLINEは早くも第二弾のスマートスピーカー「Clova Friends」を発表し、ユーザーの囲い込みを行おうとしている。

Clova Friendsは、12月8日(金)0:00よりを予約販売開始しており、本体価格は8,640円(税込)。LINE FRIENDS STORE ONLINE、楽天より購入できる。

今回の発売を記念したキャンペーン商品として、Clova Friends本体と4,000万曲以上の楽曲が聴き放題となる「LINE MUSIC」(月額:960円(税込))が6カ月間セットになった「Clova Friends + LINE MUSIC セット」を6,750円(税込)にて、2018年3月31日まで販売を行う。

また、各家電量販店の公式サイトでも予約受付を順次開始し、12月14日からは全国の家電量販店対象店舗でも販売を開始した。販売先は、今後も順次拡大を予定しているという。

スマートスピーカーにキャラクター性を導入

Clova FriendsはLINEキャラクターのブラウンをモチーフとした「Clova Friends BROWN」と、サリーをモチーフにした「Clova Friends SALLY」の2種類を用意している。毎日話しかけることを想定し、初めてスマートスピーカーにキャラクター性を持たせた。また、バッテリーを搭載し、質量も378gと軽量である。

耳の部分がマイクになっており、鼻/くちばしを1度押すと一時停止機能、長押しすると「Clova」と声をかけたことと同じ状態となるなど、より感覚的に操作できる仕掛けもある。背面にマイクオフや音量の調整に加え、「Clova WAVE」で良く使用されている、Bluetoothペアリングのボタンも設置し、より簡単に他端末とのペアリングが可能となっている。

LINEの無料音声通話を発信。操作なし音声のみで通話

機能としては、これまでにClova WAVEにあった音楽の再生、天気、占いやニュースの読み上げ、LINEメッセージの送信・読み上げなどに加え、LINEの無料音声通話の発信も12月下旬までに可能となる。携帯電話を操作することなく、音声のみで通話ができる。

なお、今後のアップデートにより、着信機能にも対応していく予定だ。また、Clova WAVEでユーザーのから反響の高かった赤外線コントローラーに対応したTVや照明の操作も、今後オプションでクレードルを設置することにより可能となる予定である。

2017年はスマートスピーカー元年

スマートスピーカーはAIスピーカーとも呼ばれ、AIを搭載しており、無線通信接続機能と音声操作のアシスタント機能を持つスピーカーである。2017年はスマートスピーカーの発売が相次いだ。これまでも、LINEの前機種LINE Clova、Google Home、AmazonEchoが発売されている。2018年にはAppleのHomePodが初される予定である。

GoogleHomeはGoogle製のスマートスピーカー。Googleならではの検索データベース、音声解析、ユーザーの趣向解析、などの技術が使える。これらの技術は「Googleアシスタント」と呼ばれるAI技術としてまとめられている。

AmazonEchoは、欧米では2014年に発売されており、スマートスピーカーの先駆け的存在だ。「Alexa(アレクサ)」というAIを搭載しており、高音声認識と1秒以内に答えを返す素早さが特徴である。

2018年に発売予定のAppleのHomePodは、空間認識を使って自らの室内での位置を感知し、それに合わせて自動的に音を調節する。大型ウーファーや7個のビームフォーミングツイーターのカスタムアレイを備えている。

競争激化必至のスマートスピーカー市場

スピーカーに話しかけるとスピーカーが問いに答えてくれる。こんな時代が来るとは10年前は想像できなかった。しかし、スマートスピーカーは、スマートフォンがそうだったようにこれから我々の日常生活の必需品となっていくかもしれない。

各社、各製品ごとに強みや、デザイン性などで競合との差別化を図ろうとしているが、おそらくユーザーは、自身のスマホやPCの環境などに合わせた上で、どのスマートスピーカーを利用するかを決定するだろう。

今回のLINE「Clova Friends」はそこに一石を投じる形になっていると考えられる。

今後スマートスピーカー市場の競争は激化が予想されるが、スマートスピーカーへの関心を示す層は初期段階では限られているだろう。その時期に、そうではないユーザー層を囲ってしまうことができれば、その強みは今後のスマートスピーカー市場でのシェア獲得に貢献してくれるはずであるし、様々なユーザー層を抱えることによって新たなサービスが生まれてくる可能性も大きい。

LINE「Clova Friends」年末商戦時期に合わせ、スマートスピーカーにそこまで興味を示していなかったファミリー層などへの購買促進のできるデザインと価格帯を提示することで、リテラシーがそこまで高くないユーザー層の囲い込みを行おうとしているのではないだろうか。

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