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現在の10代は「Z世代」と呼ばれており、ミレニアル世代である20代の「嫌消費世代」「さとり世代」に続くものとされている。
「ゆとり」「さとり」に続く世代として、他人に尽くしコミュニティを広げる「つくし」世代などという言葉もあり、コミュニケーションに必要なものについては、消費欲が他の世代と比べて強いと言われているようだ。
Visaカード「バンドルカード」を運営する株式会社カンムは、バンドルカードにおけるユーザーの利用データを元に、2017年に10代ユーザーに利用された約5億円分の消費傾向について分析、発表した。今回はその動向をご紹介したい。
10代は利用回数は多いが単価は低い
バンドルカードはチャージ式Visaプリペイドカードである。生年月日と電話番号のみで、アプリからすぐにネット決済専用のバーチャルカードが発行され、希望者は実店舗で使えるリアルカードを持つこともできるというもの。カードは日本を含む全世界200以上の国と地域にあるVisa加盟店で利用できる。
バンドルカードでは各年代ごとの消費傾向を分析している。
その結果、2017年1月から2017年11月までのデータでは、10代ユーザーは1人あたり平均7.1回の利用、1利用あたりの平均単価は1,227円となった。対して20代は4.1回、2,933円となっている。(2017年1月~2017年11月:バンドルカードの利用実績)。
この数値だけを比較とすると、10代は利用回数が多いものの、単価が低い結果となっている。ただ、利用回数の多さは10代の方が高く、収入差を考えると消費欲は20代に対して、むしろ強いのではということが想像されるとしている。
7.5%を1万円以上の消費が占める
ここでは「高額消費」を「1回の利用単価が10,000円以上の決済」と定義した。そして、10,000円以上の利用が多かった4つのジャンル、それぞれの平均利用単価(複数回利用されている利用先) を見た。
その結果、上位3つは海外通販が17,549円、旅行関連が16,253円、ライブ・テーマパークのチケットが11,372円となった。これにより10代全体の利用総額の7.5%を高額消費が占めていることが判明した。
「旅行関連」(航空券や宿泊費など)が値段が高くなるのは当然であるが、「海外通販」がそれ以上に利用単価が高くなっているのは注目すべき点だ。
また、「海外通販」の中でも、値段の高い海外ブランドを取り扱っているECサイトの利用が多く、SNSでの拡散などを目的にした「見た目重視」の傾向に依るものかもしれないと予想されるとしている。
「コミュニケーション重視」の消費
10代の利用先別平均単価ではフリマアプリが1,529円、ネット通販が1,786円、コンビニが392円、コーヒーショプが701円、オンラインゲームが465円、アニメショップが1,375円となった。
「コンビニ」の392円を「コーヒーショップ」の701円が大きく上回っており、カード利用が出来るコーヒーショップではスターバックスでの利用が群を抜いていることから、インスタ映えや友達との盛り上がりを考える「コミュニケーション重視」の消費とも考えられるという。
またアニメショップの利用単価も高く、自分の好きなジャンルへの消費欲も旺盛なことが見て取れるとしている。
他世代と明らかに異なるZ世代の価値観
その時代や世代ごとに価値観やアイデンティティーが異なるのは当然だが、Z世代は他世代との違いが明らかにみて取れる。
どうやら全体的には節約傾向にあるが、コミュニケーションや見た目のためには消費をいとわないようだ。
Z世代は団塊ジュニア世代よりさらに10~15歳若く、ビジネスの対象であるボリュームゾーンとしても、これからどんどん大きくなっていくことは容易に予想される。今後のビジネスの成功には、彼らの嗜好や消費動向を今から把握しておく重要になっていくだろう。
img; PR TIMES