ゲーム実況動画を見たことはあるだろうか?

ゲームをしない人にとってそこにふれ合う機会はほぼないかもしれないが、その影響力とマーケットはとても大きなものに成長している。

Twitch(ツイッチ)は、米国のTwitch社が提供するソーシャルビデオサービスであり、ゲーム実況においては世界最大のプラットフォームだ。2014年に9.6億ドル(約1,080億円)でAmazonが買収し、Amazonプライム会員向けに様々な特典を提供する「Twitch Prime」が誕生した。

そんな「Twitch Prime」が、2017年12月8日より、ついに日本でのサービス提供をスタートした。

日本におけるTwitchの価値

Twitchは、Amazonに買収された現在も「Twitch」という独立したブランドとしてサービスを継続している。日本では日常の話題に出るほどの馴染みがあるわけではないゲーム実況であるが、それでも毎日1,500万人のアクティブユーザーが存在している。

ユーザー1人当たりの視聴時間は1日平均300分にものぼり、これは世界的に見ても大きな数字と言える。自身がプレイせずとも、動画を見ているだけでゲームを楽しめることや、実況主(ゲーム実況動画のアップロード者のことを指す)のトークの面白さが、人気の秘訣の一つだ。

2015年には配信対象をゲームだけでなく、アーティストやシェフによるライブ配信にまで拡大したこともあり、今後も日本でのユーザー数は増えていくだろうと予想される。

Twitch Primeの特典

この度、日本でのサービス提供をスタートした「Twitch Prime」は、Amazonプライム会員であれば限定のキャラクターやブースト、スキンと呼ばれるゲーム内コンテンツや、インディーズゲーム制作者のゲームを、追加料金なく楽しむことができる。

さらに、広告表示なくTwitchを視聴できるほか、30日ごとのTwitchチャネルへの無料スポンサー登録、チャット優先権、スタンプ、バッジなどの専用の特典も利用することができる。

Twitchが日本市場へ期待すること

「東京ゲームショウ2017」で過去最大規模の出展を図ったことからも、日本でのサービス展開の期待を感じとれる。

Twitch Commerceのバイスプレジデント、イーサン・エヴァンスは次のようにコメントした。
「Twitchは、日本の熱意あふれるクリエーターとお客様のおかげで、急速に日本での認知を拡大しています。Twitchは、さまざまな方法で日本のゲームシーンのサポートに取り組んでいます。そして、本日のTwitch Primeの日本へのサービス展開もその一つです。日本を代表するゲーム開発各社とともに、世界中のゲームファンに最高のゲーム内コンテンツ、特典、サプライズを提供できることに喜びを感じています。」
これを機にTwitchは日本での認知を高め、日本のゲームクリエーターへの支援を強化するとしている。

Twitch Primeが日本へ与える影響

Twitch Primeの日本市場参入により、今まで以上にTwitchが身近な存在になることは容易に予想される。そうなれば、e-sportsの盛り上がりとともに“ゲーム”というエンターテインメントはこれまで以上の注目を集めることが期待できるかもしれない。

Twitch Primeは、ゲーム実況の配信や特典の提供だけでなく、新たなゲーム人口を増やすきっかけとなることだろう。今後のゲーム市場は、ただプレイをするだけではなく、新たな価値を提供する場として大きな成長を期待できるのかもしれない。

img; PR TIMES , Shutterstock