近年のグローバル化に伴い、海外進出を図る日本企業は年々増え続けている。
インターネットとテクノロジーの進化による自動翻訳ツールの誕生なども後押しし、もはや企業は以前にも増して国境を気にせず、ビジネスを展開することができる時代になっている。
プレスリリースの重要性
特に日本企業の多くが注目を寄せるのは、東南アジア諸国連合(ASEAN)だ。総人口約6億2,000万人、GDP約2兆5,000億ドルにものぼる巨大な市場や安価な人件費の魅力から、すでに1万社以上の日本企業が進出している。
このような企業のビジネス展開においては、国内外問わず、自社のサービスや商品、その他企業活動を他企業や消費者へとアピールすることが重要となってくる。
その一つの手段として、プレスリリースがある。多くの日本企業はメディアを通して自社の情報を発信するプレスリリースを行い、いわば「知ってもらう」という活動を行っている。
日本企業の海外進出における課題
しかし、海外進出においてはどうだろうか。
特に東南アジアでは「現地メディアとのネットワークがない」、「海外の駐在員が広報に精通していない」などの理由から、ほぼ現地の国に対して企業活動に関する情報を伝えられていないという状況だという。
これでは、いくら良いサービスや商品を持っていても、“知ってもらう”ことは難しいだろう。
海外プレスリリース専門サービスの誕生
このような日本企業の状況を打破すべく、現地でのアピール・マーケティングなどを担保するためのプレスリリース専門サービスが登場した。それが、「VIETNAM PRESS(ベトナムプレス)」だ。
日本全国に約40の拠点を持つチルド食品の物流サービス、ダイセーエブリー二十四株式会社が2017年5月に共同出資で設立した「VIETNAM PRESS」は、“「うちの会社がベトナムの新聞に載ってる!」を実現するサービス”である。
新聞や雑誌、ウェブなど1,200以上のベトナムにある現地メディアに企業活動を配信することが可能であり、現地既存メディアの影響力、信用度を活かしてベトナム全国へ一斉に拡散することができる。
企業のアピールやマーケティング活動の効率化に貢献するだけでなく、自社社員のロイヤリティ向上や、現地メディアに露出していることで、人材採用や営業時の参考資料としても活用することができるようだ。
他にも、株式会社デジタルラボでは2017年7月に、東南アジア専門PRを行う事業を開始した。こちらでは、メディアを通したプレスリリースだけでなく、海外イベントのプロデュースや現地視察のサポート、現地コーディネーターのアテンドなども行っている。
届けたいところに届けたい情報を
海外に特化したプレスリリースサービスの登場により、これまでの「海外ではPRする術がない」という常識が覆されつつあるのかもしれない。それによって、今後東南アジアや発展途上国でのプレスリリース需要の高まりが期待される。
インターネットの発達によって、誰でも、どこにでも情報を発信できるようになった環境があるからこそ、届けたいところに届けたい情報を発信できるスキーム作りがなおさら重要になってくるのかもしれない。
img , VIETNAM PRESS , Shutterstock