現在、日本では「LINE(ライン)」が個人間のコミュニケーションツールとして、当たり前のように利用されている。
日本での月間アクティブユーザー数は、7,000万人に達しており、グローバルにも展開し、タイ・台湾・インドネシアでのDAU合計は、1億人に及ぶ。
LINEでは、LINE LIVE(ライン・ライブ)やLINE NEWS(ライン・ニュース)など、さまざまな連携アプリを使うことができる。
FinTech分野の進化が進む中、そのユーザーのスケールメリットを活かし、スマートフォンでの決済や個人間送金を可能にするのが、「LINE Pay(ライン・ペイ)」だ。
FinTechによりアプリ上での決済・個人間送金を可能にする「LINE Pay」
LINEを使った決済サービスが「LINE Pay」だ。その使い方は簡単で、LINE内でパスワードを設定すると、LINE Payに登録することができる。銀行口座、コンビニ、Pay-easy(ペイジー)などから、チャージが可能。チャージすることで、加盟店でのLINE Pay決済・コード決済が可能になる。また、LINE Pay間での個人間送金・送金依頼・割り勘といった機能も充実している。
現在、アプリやメッセンジャーを利用した決済や個人間送金は、グローバルで広く利用されており、アメリカの「Venmo(ベンモ)」、中国の「WeChat(ウィーチャット)」、インドでの「WhatsApp(ワッツアップ)」がそれにあたる。
そしてLINE Payもまた、グローバルでの利用が拡大している。
「LINE Pay」の利用がグローバルで増大
LINE株式会社が、2017年11月17日発表したところによると、LINE Pay株式会社は、“スマホのおサイフサービス”「LINE Pay」における、2017年10月末の時点で月間取引件数1,000万件を達成した。
今年に入ってから11月までの時点で、全世界での月間流通総額は550億円、累計流通総額は3,000億円に及ぶという。
「LINE Pay」は、2014年12月に日本でサービス開始して以降、グローバルにもサービスを拡大し、2017年11月に、全世界4,000万登録ユーザーを突破した。とくに成長が目立つのは日本、台湾、タイの3国だ。
日本国内では、「LINE Pay」は3,000万人以上のユーザーが登録し、現在、ゆうちょ銀行、UFJ銀行、三井住友銀行を含む48行の銀行と連携している。
ローソン全店のレジ、全国23,000カ所以上に設置されているセブン銀行ATMから「LINE Pay」のアカウントに残高をチャージできるなど、その利便性の高さがユーザーと流通額の増加を実現している。
台湾では、登録ユーザー数は220万人に達し、「LINE Pay」はいくつかの指標においてNo.1モバイル決済サービスとなっており、すべての年齢層、オンラインショッピングでもっとも利用されているという。百貨店、ホテルチェーン、コンビニエンスストアチェーン、小売店など、20,000店以上が「LINE Pay」に加盟する。
タイにおいては、LINE Payは交通系のプリペイドカードと提携し「Rabbit LINE Pay(ラビット・ライン・ペイ)」として生まれ変わった。
タイでは、国家的にキャッシュレス社会を後押ししていて、オンライン・オフラインの多様な加盟店との提携が進んでいる。隔たりがなく、利便性の高い決済手段の提供を目指している。
こうした「LINE Pay」の利用拡大は、日本社会に大きな変化を引き起こす可能性がある。
日本におけるキャッシュレス社会実現のトリガーとなるか
日本における月間利用者数が7,000万人を超えるコミュニケーションアプリの「LINE」、そして3,000万人以上のユーザーが登録するモバイル決済サービスの「LINE Pay」。
店舗での決済、オンラインでの決済のみならず、個人間送金の利用が広がり、取引件数・流通総額がさらに増大していけば、日本におけるキャッシュレス社会の実現が一気に進むかもしれない。