クラウド会計ソフト「freee」が「Slack」とAPI連携。FinTechとビジネスメッセンジャーのコラボがビジネス効率を最大化させる

現在、ビジネスシーンでのコミュニケーション手段は、従来のメールからメッセンジャーやチャットへと移行が進んでいる。

ビジネス向けチャットとしては、Chatwork(チャットワーク)、Skype(スカイプ)などが有名だ。個人間のチャットはもちろん、グループチャットやビデオ通話、ビデオ会議、タスク管理機能など、それぞれに特徴がある。

その中で、今世界で急速にユーザー数を伸ばしているのが、GoogleカレンダーやTrello(トレロ)など、多くの外部サービスとのAPI連携が可能な「Slack(スラック)」だ。このSlackはIT関連企業をはじめ、スタートアップでも多く利用されている。

そのSlackが、今度は日本のクラウド会計ソフト freee(フリー)と連携する。

ビジネスメッセンジャーツールSlackと、クラウド会計ソフトfreeeのコラボレーション

「Slack」は、Stewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)氏が開発した、チームコミュニケーションツールだ。

なぜ「Slack」はここまで評価される?その強さを示す7つの事実

もともとは、オンラインゲームの開発に使われた社内ツールだったが、2013年8月に公開されると、またたく間にその利用が広がった。Slackはグループチャット、1対1のメッセージング、音声通話などが可能だ。

最も特徴的なのは、 APIが公開されており、Googleドキュメント、Dropbox、Heroku、Crashlytics、GitHub、Zendeskなど、サードパーティーのサービスとの連係が可能な点だ。(APIは、Application Programming Interfaceの略で、ソフトウェアコンポーネント間でのやり取りを実現するインターフェースの仕様)

「クラウド会計ソフト freee」は、日本のFintech企業であるfreee株式会社によって開発された、中小企業の事務管理(バックオフィス)向けのサービスである。

freee株式会社は、「誰もが創造的な活動ができる社会」「スモールビジネスが強く、かっこよく活躍する社会」を実現することをミッションとして掲げている。AIを用いた最先端の機能開発や金融機関との連携により、バックオフィス業務効率化のソリューションを提供している。

クラウド会計ソフトfreeeは、ウェブ口座の取引明細からデータを取得し、会計帳簿を自動的に生成することができる。取引明細のテキスト解析をおこない、自動で会計帳簿にデータを振り分けていく。

この様々な企業やスタートアップにビジネスの効率化を提供している「freee」と「Slack」が連携を発表した。

日本の会計業界では初の事例となるSlackとのAPI連携

2017年11月17日、freeeは同社が提供するクラウド会計ソフトfreeeが、法人向けチャットサービスSlackとAPI連携したことを発表した。

この連携により、クラウド会計ソフトfreeeで申請した経費精算、支払依頼、稟議ワークフローなどの通知がSlackに届き、Slack上で承認や差戻し、却下などの操作を行えることになる。その申請から承認に至る、上記に記した一連のコミュニケーションに関するアクションが、申請者と承認者のSlack IDに通知される。

この連携は、freeeが進める「複数のクラウドサービスを組み合せることによって、ユーザーの業務改革を実現するクラウドインテグレーション」が、また1つ実現したということになるだろう。

Slackが会計業界とのAPI連携を行うのは国内初の事例であり、このようなクラウドサービスとビジネスチャットの連携はこれから広がりを見せていくのかもしれない。

Fintechとビジネスメッセンジャーのコラボレーションが大きく可能性を広げる

メールに取って代わり、ビジネスコミュニケーションの主なツールとなったビジネスメッセンジャー、そしてAIやクラウドといったテクノロジーと金融の組み合わせによるFintech。この2つの連携はまだ始まったばかりで、連携による業務効率の最大化などの可能性はこの先大きなものになっていくだろう。

さまざまなサービスの連携によって、今まで以上に多くのスタートアップや企業の誕生と成長をスピードアップさせていくことが期待される。

img: @Press , freee , Slack

モバイルバージョンを終了