「信託活用型ストックオプション」は従来のストックオプションの課題を解決し、キャピタルゲインを最大化できるか

ストックオプションとは、会社が従業員や取締役に対して、会社の株式を、あらかじめ定めた価額で将来取得する権利を付与するインセンティブ制度だ。

ストックオプションを付与された社員は、会社の株価が上昇した際にストックオプションによって優遇された価額で、定められた数量の株式を取得し、売却することができる。

資金の使途にシビアなスタートアップ企業において、活躍する従業員へのインセンティブとして、ストックオプションを用いる企業も少なくない。

従来型のストックオプションの課題

ストックオプションに問題がないといわれれば、そういうわけではない。

それは、事業が成長すればするほど、新規発行するストックオプションの行使価額が高くなり、従業員にとっての価値が相対的に低くなっていってしまうという点だ。

これでは、従業員のインセンティブとして行っていたストックオプションの制度も、その意義を失ってしまう。

この他の課題・リスクについては、こちらで詳しく言及されている

課題を解消する「信託活用型ストックオプション」

この問題を解決しようとしているスタートアップがある。それが「株式会社SmartHR」だ。

「株式会社SmartHR」が今回、新たに導入した従業員インセンティブ制度が、「信託活用型ストックオプション」だ。

信託活用型ストックオプションとは、発行時点の比較的安価な行使価額の新株予約権を、将来に渡って配布することができるスキームである。

そのため、入社時期や上場時期に関わらず、行使時には高いキャピタルゲイン(売買差益)を得ることが出来る。つまり、従業員の事業貢献に対して的確な見返りを提供することが可能になる。

このスキームは、株式会社プルータス・コンサルティングと松田良成弁護士によって考案された、前例の少ない画期的なスキームであり、「時価発行新株予約権信託®」として商標登録されている。

「信託活用型ストックオプション」導入の背景

「株式会社SmartHR」は、企業が行う社会保険・雇用保険の手続き自動化を目指す、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」の開発・販売を行なっている会社だ。


SmartHRの紹介ムービー

サービス提供を開始してから2年が経った今、昨今の人材の流動化に伴いその需要は増え続けている。

今後も「SmartHR」の機能を充実させ、サービスの質を一層向上させていくためにも、従業員が働きやすく、十分に能力を発揮できる環境や制度設計を構築していく必要があるとして、今回「時価発行新株予約権信託®」の活用を決めたという。

「信託活用型ストックオプション」が社会にもたらす影響とは

従業員一人ひとりのパフォーマンスが事業の成長を支えるスタートアップでは、従業員こそがその企業の価値を決める財産である。

離職を防止するためにも、従業員の事業貢献が今まで以上に評価される可能性が高いストックオプションは効果的と言えるだろう。

「時価発行新株予約権信託®」によってストックオプションの課題やリスクが軽減されたことにより、今後多くの企業が導入を始めると予想される。

そうなれば、「時価発行新株予約権信託®」は人々がよりモチベーション高く、パフォーマンスを発揮できる社会の実現に貢献してくれるかもしれない。

img : PR TIMES , YouTube

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