仕事が忙しくて、毎日の食事はついつい手を抜きがち。

それでもたまには、美味しいものを自宅で作りたい。
ちょっぴり自慢できるような一皿を作りたい。

そんな人の欲求を叶えてくれる新たなサービスジャンルが、「ミールキット」だ。

競合ひしめくミールキット市場では、差別化が進む

ミールキットとは、すぐに調理ができるよう、レシピに合わせて必要な分量の食材と調味料が届くサービスの種類。レシピに従って調理をすれば、自宅でもレストラン並みの食事を簡単に楽しむことができる。

食品市場リサーチ会社Packaged Factsによると、アメリカのミールキット宅配市場は、2016年に約20億ドルの売上高を記録したと推計されており、5年後には数十億ドル規模の市場に成長すると見込まれている

合鴨肉と珍しいアンディーブにレーズンとバニラのほんのり甘いソースを合わせた、本格フレンチ。サイドの芳ばしく焼き上げたキノコのガレット風リゾットは盛り付けもオシャレ。お皿にアート感覚でソースを垂らし、一流シェフ気分を。 ・ 10月14日 お届けメニュー① (申込期限: 2017/10/08 Sun 23:59) ・ 主菜〈合鴨のロースト 〜アンディーブのバニラ風味〜〉 副菜〈キノコのリゾットガレット〜サラダ仕立て〜〉 ・ レシピ考案者 フレンチ〈清水 郁夫〉 https://chefy.jp/set/171014_01/ ・ 大切なあの人と。大好きなあの人へ。自分へのご褒美に。週末にゆっくりとお料理を楽しんでみませんか? ・ #chefy #シェフィ #初回半額 #人気シェフ #料理 #レシピ #ミールキット #おうちごはん #週末の食卓 #コンランショップ #フレンチ #フランス料理 #合鴨 #ロースト #アンディーブ #レーズン #バニラ #マッシュルーム #キノコ #リゾット #ガレット #サラダ #オリーブオイル #清水郁夫 #料理教室 #デリスタグラマー

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アメリカのミールキット宅配サービスの最大手がBlue Apronだ。同社は、数百種類のレシピを公開しており、その中から気に入ったレシピがあれば、食材とレシピを注文することができる。

レシピは、ウェブサイトからも確認することができ、調理方法の説明に、テキストだけではなく動画も活用している。契約農家から直接仕入れたこわだりの食材を使っていることから、健康志向の消費者に人気だ。2012年の創業以来、1億5900万食以上を宅配している。

Amazonによる生鮮食品配達サービス「AmazonFresh」もミールキットの取り扱いを開始した。同サイトには、元カリスマ主婦のMartha Stewart(マーサ・ステュワート)氏とミールキットのMarley Spoonがコラボレーションした「Martha&Marley Spoon」などが掲載されている。

これらのサービスに追随するように、世界中で類似サービスが数多く登場している。アメリカには「Plated」、ヨーロッパには「Hello Fresh」、カナダには「Chefs Plate」というサービスがある。Blue Apronはアメリカ国内でのみサービスを提供しているため、直接の競合関係にはない。

様々なプレイヤーが登場するに連れて、各社間の差別化も進んでいるように思える。スーパーモデルやプロスポーツ選手、セレブなどがプロデュースしたミールキットも登場している。「22 Days Nutrition」というビーガン専用のミールキットでは、Jay ZとBeyoncéがプロデュースしたミールキットが提供された

大手企業の参入も進む、日本のミールキット市場

 日本でも、ミールキット関連サービスが登場している。「kit Oisix」は主菜と副菜が20分で作れるレシピが特徴的で、賞味期限の長いフローズンタイプも用意。忙しい人でも簡単に毎日の食事を作れるようにしてくれるサービスだ。

*お届けプラン* 通常の2メニュー×2人分(¥6,000送料込)に加え、1メニュー×2人分(¥3,500送料込)から注文可能になりました !! ・ ポルチーニ風味のラグーソースとココナッツが隠し味のイタリアマンマ直伝のラザニア。お馴染みのシーザーサラダには、トリュフ香るスクランブルエッグをトッピング。香り豊かなこのミールキット、シェフ監修ならではと満足するはず! ・ 9月30日届けメニュー② (申込期限: 2017/09/24 Sun 23:59) ・ 主菜〈マンマのミートラザニア 〜ココナッツ風味〜〉 副菜〈シーザーサラダ 〜トリュフ風味のスクランブルエッグ載せ〜〉 ・ レシピ考案者 肉処 嘉陣〈鵜野 秀樹〉 https://chefy.jp/set/170930_02/ ・ 大切なあの人と。大好きなあの人へ。自分へのご褒美に。週末にゆっくりとお料理を楽しんでみませんか? ・ #chefy #シェフィ #初回半額 #人気シェフ #料理 #レシピ #ミールキット #おうちごはん #週末の食卓 #コンランショップ #肉処嘉陣 #ラザニア #ココナッツ #ポルチーニ #ベシャメル #トリュフ #スクランブルエッグ #ロメインレタス #シーザー #サラダ #オリーブオイル

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ミールキットが日本でも注目されている背景には、共働きの世帯の増加がある。共働き世帯数は2016年で1129万世帯と、10年前に比べて16%増えた。帰宅後、夕食の調理で手間をかけたくない家庭が多いのだろう。

「Kit Oisix」のようなサービスは、自然派志向が強く、鮮度の高い食材を求めている一方、買い物や料理の時間が十分に取れないユーザーのニーズを満たしているわけだ。夕食のメニューを考える時間や買い物の手間を省けるのもいい。外食することを考えればリーズナブルな値段で、家族構成に合わせた注文ができるのも魅力だろう。

一方で、「Tasty Table」や「Chefy」は、毎週末にミールキットが配達される仕組みだ。これらのサービスは、日常利用ではなく、休日に料理を趣味的に楽しむ消費者のニーズを満たしていると考えられる。

ミールキットは、健康的で美味しいだけではなく、料理の見栄えもいい。Instagramにミールキットで作った料理を投稿しているユーザーも多い。ハッシュタグ「#tastytable」で検索すると2,400件以上の投稿があり、「手抜きだけど美味しいごはん」などといったコメントが寄せられている。

手間をかけたくないが、ハレの空間を彩るような料理をつくりたい。あわよくば、それをInstagramにポストしたい。そんなユーザーの欲求に応えているのが、Tasty TableやChefyだろう。

ミールキットは、ユーザーの様々な欲求に応えてくれる。忙しく働くビジネスパーソンが平日に利用するものがあれば、休日に趣味的に料理を楽しむためのものもある。

日本には上陸していないが、アメリカにはハリウッドセレブやスポーツ選手のライフスタイルを真似たいという欲求に応えたミールキットも存在する。市場が成長していくに連れて、日本でも多様な楽しみ方ができるミールキットが登場していくだろう。

Img : Tasty Table, Kit Oisix,