自転車は「ビーチ」にも適応して進化する。パラソル、冷蔵庫、充電器まで備わった次世代バイクのコンセプト

ビーチと言えば、観光スポットの定番。抜けるような青い空と白い砂浜、心地よく打ち寄せる波音と優しく吹き抜ける風、遥か彼方に見える水平線。そのどれもが日常から我々を遠ざけてくれる象徴のようだ。

そんな優雅なイメージのあるビーチも、実際は過酷な面がある。手頃な値段のホテルからは遠かったり、広すぎるビーチを移動しようとすると砂浜の歩きにくさから疲れてしまったり…。ビーチには、まだまだ改善すべき点が多い。

ビーチを楽しむために必要な道具が全て詰まった自転車

ビーチを中心とした観光体験をより良いものに−−そんな想いで開発された新しい自転車がある。

Chen Liu氏が開発したコンセプト自転車「Solectrike」だ。現在、ドイツの大学院で工業デザインや交通デザインを学んでいる同氏は、フォルクスワーゲンでのインターン経験もある。

「Solectrike」はSolar+Electronic+Trike(三輪車)を組み合わせた造語で、その名の通りソーラー発電する電動アシスト3輪自転車である。

観光地の主要スポットにレンタル場を点在させ、ピックアップと駐車を可能にしたシェアサイクル形式を想定している。

自転車の機体は「電源モジュール」と「ビーチモジュール」という2つのパーツで構成されている。

電源モジュールは「セントラルステーション」と呼ばれるレンタル場で充電が可能。ステーションにはソーラー発電システムが搭載されており、環境に負荷を与えることなくモジュールの充電を行える。

ユニークなのがビーチモジュールだ。浜辺で快適な時間を過ごすために欠かせない日傘やベンチ、冷たい飲み物を楽しむためのクーラーボックスが、キャリーバッグのように一体化したシステムになっている。

日傘にはソーラー充電システムを搭載しており、スマートフォンなどの電子機器の充電もできる。

安定性のある3輪と電動アシストで快適にビーチ間を移動し、お気に入りのスポットを見つける。Solectrikeを2つのモジュールに分解し、セントラルステーションで電源モジュールを充電しつつ、ビーチモジュールをコロコロと転がし、ベンチとパラソルをセット。

クーラーボックスで冷やしたドリンクを片手に、心地よい日陰でチルアウトする。そんな快適な利用シーンが思い浮かぶ。

自転車に乗って観光地を楽しむ動きは加速する?

観光地だけではなく、都市部でもシェアサイクルは広がりを見せている。シェアサイクルは都市における移動を変えつつあるが、対象となるのはあくまで自転車で走行しやすいエリアのみだった。

今後はSolectrikeのように、ビーチや山間部など、これまで自転車では走りにくかった各観光地に特化した自転車が登場する可能性もある。

観光地における自転車への注目はさらに高まりを見せそうだ。

img : Behance

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