VICEとAirbnbがコラボ!現地カルチャーを焼き付けるアングラ体験トリップが実現

僕が大学に入った頃、旅に出ようとするときには、書店でその土地のカタログを探したものだ。そこに載っているのは、大衆受けするような間違いのない観光名所や、安全なお店やホテル。それでも、初めての国や地域を訪れることは刺激的だった。

ここ数年はカタログに載っているような観光地はインターネットで調べればすぐ出てきてしまうし、ありきたりだ。観光名所を巡っても、その景色をスタンプラリーしているようで、なんだか居心地が悪い。

そんな世の中から外れるように、ミレニアル世代はインターネットを駆使してコアな旅のオススメを見つけて、一方的で広告的な情報発信ではない「本物の体験」や「ここでしかできないこと」を求めるようになった

現地ならではの体験ツアーに参加できるAirbnbのサービス「トリップ」

世界中の民泊を紹介するAirbnbが、本物の体験や地域に根ざした体験を提案するサービス「トリップ」を2016年11月にリリースした。

体験できるアクティビティは、スポーツ・自然・社会貢献・エンターテインメント・食べ物・アートと様々だ。トスカーナ地方でのトリュフ狩り、ロサンゼルスでのグランピング、ロンドンでのグライム音楽シーンへの参加、ケニヤではマラソンへの参加、そしてケープタウンでのミステリーツアーといった現地のエキスパートの企画を体験できる。

日本では築地を回るコースや、琴を習うといったアクティビティが提供されている。リリース時には500種類だったアクティビティは、今では800を超えるほどに増えた。2017年の時点で、世界51都市で「トリップ」のサービスが提供されている。

2017年3月に、日本では東京に次ぐ第二の都市「大阪」でもサービス提供が発表された。その際にAirbnb共同創設者兼CPOであるJoe Gebbia(ジョー・ゲビア)氏が来日。「トリップ」の魅力を次のように語っている

「私たちは、好奇心に満ちた旅行者が現地のコミュニティに溶け込み、そこに住む人たちを通してその土地の本当の姿を目にする機会を提供することで、旅行を再びマジカルなものにしたいと考えています。Airbnbを利用して素晴らしい現地の体験を発見し、地域コミュニティーにもメリットをもたらすことを期待しています。」

AirbnbとVICEが提案する、アンダーグラウンドな体験

「トリップ」の盛り上がりを受け、興味深いアクティビティが発表された

世界30ヵ国以上に支部を持ち、世界中で制作・厳選されたプレミアムでエッジーなコンテンツを日々5千万人以上に提供しているデジタルメディア「VICE」とのコラボレーションによる新しい旅の提案だ。

VICEは、スラム街に住む人々の生活やそこにあるアンダーグラウンドなカルチャーを取材したり、紛争地域のゲリラにインタビューしたり、セックス・ドラッグ・ダンス・ミュージックなどストリートのリアルを描き出し、世界中の若者に支持されている。

今回のコラボレーションでは、そんなVICEらしい刺激的な4つの体験が提案されている。

VICEがプロデュースする体験たちを一つずつ見ていこう。

世界が注目する南ア黒人居住区の音楽を体験する旅「タウンシップ・テクノ」

南アフリカのケープタウン近くにありバラック小屋が並ぶ地区「カエリチャ」で生まれたエレクトロミュージックを通して、南アフリカの人々の生活と音楽シーンを体験できる。

カエリチャを実際に訪れ、その地域の人々からダンスのムーブを教わったり、世界的に有名な南アのラッパー・DJ・プロデューサーと共に楽曲を制作。最後には現地のパーティーでその楽曲を披露するという旅だ。

恋の都をリ・イマジンする? 「フランス流ラブの定義」

パリでは、エロティックカルチャーに触れる体験が提供される。歓楽街ピガールの本場のキャバレーを訪れたり、女性やカップルも気軽に寄れるラブストアを見に行ったりと、裏のパリの歴史と素顔に出会えるユニークな旅を体験できる。

アンダーグラウンドで広がるヴォーギングのルーツを訪ねる旅「魅惑のボールルーム」

ニューヨークでは、ゲイコミュニティが始めたカウンターカルチャーであるストリートダンス「ヴォーギング」のルーツを探る体験ができる。カルチャーを今に伝えるダンススタジオでダンスのムーブを学び、夜には実際にパーティーに参加する。

TOKYOの虹色パラレルワールドを体験する「カミングアウト東京」

ここ日本でもユニークな体験が提供される。世界でもっともゲイバー過密度が高い新宿2丁目をめぐるツアーや、国際的に人気を博す日本のBL漫画についてBLなどの漫画家よりプレゼンテーションを受けるなど、東京のLGBTQシーンを中から見る体験ができる。

ミレニアル世代が求める本物の体験がここにある

4つのアクティビティに共通しているのは、まるでVICEのコンテンツをそのまま体験できるかのように、エッジーで刺激的なアクティビティになっていることだ。VICEがこれまで培ってきた世界各国における現地コミュニティとの深いつながりがあるからこそ、このようなアクティビティを企画できるのだろう。

VICEの記事や動画がミレニアル世代に熱狂的に支持されているように、この4つのアクティビティも支持されるはず。なぜなら、それはミレニアル世代が旅に求める「本物の体験」や「ここでしかできないこと」そのものだからだ。

現地のアンダーグラウンドなカルチャーにどっぷり浸かる旅の提案は、単なる旅行では体験できないからこそ意味がある。「トリップ」にユニークな体験が増えていけば、これまでにない旅の新しい文化が生まれるはずだ。

Airbnbは影響力のあるメディアとのコラボレーションによって、「トリップ」に関心を持ち、実際に参加したいと思わせる層を増やすことができる。VICEの企画力や取材力を活用することで、Airbnb単体では生み出せないようなユニークな体験の提案が行えるだろう。VICE側にとっても、世界的に展開するサービスとのコラボレーションがもたらす話題性は大きい。

今回のコラボレーションは、これらの体験に招待するプロモーション企画だ。応募は自由だが、参加するには審査がある。興味がある人は挑戦してみてはどうだろうか? 応募締め切りは2017年9月1日となっている。

VICE x Airbnb体験コラボ企画

img:Airbnb, VICE

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