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全製品IoT化に舵を切ったiRobotが考えるのは「人がクリエイティブになれる未来」

ロボット掃除機の牽引役として業界をリードするiRobot(アイロボット)社。2002年、部屋の掃除機がけを自動で行う「ルンバ」の登場以来、全世界で1800万台以上を販売している。いまだイノベーティブなプロダクトとして位置づけられる同製品だが、このたび発表されたのはルンバ全シリーズのIoT化だった。

新モデルとなる「ルンバ980」「ルンバ690」を含む全シリーズがWi-Fi対応になったことで、いつでもどこでもタブレットやスマートフォンを操作して清掃ができる。必要なのは「iRobot HOME アプリ」。外出先からの操作はもちろん、清掃完了時はプッシュ通知が届き、状況確認も可能。細かなスケジュール設定や清掃履歴も見られる。

スマホで「CLEAN」をプッシュすればルンバが起動。最上位の「ルンバ980」は、ナビゲーションテクノロジーに「iAdapt 2.0ビジュアルローカリゼーション」を採用。マッピングシステム「vSLAM」により、本体のカメラとセンサーでフロア全体のマップをリアルタイムに制作

今回の発表を皮切りに、アイロボット社はスマートホーム化を展開していくという。手間のかかりそうな家の掃除や食器洗いなど、ロボットが可能な家事に関しては任せる。その代わり、料理や盛りつけなどといった、人間ならではの感性が必要な家事を“楽しもう”というのが、アイロボットの考えるスマートホームのコンセプトだ。ルンバに関して言えば、まず清掃を全自動化することで人間が自ら掃除する手間を減らし、さらにIoT化によって場所を選ばず清掃の頻度も上げられる。こうしたライフスタイルの変化こそ、ロボット技術やIoTテクノロジーの最たる恩恵だろう。

同社のCEO兼共同設立者のコリン・アングルは次のように話す。
「ルンバ900シリーズだけでなく、人気の高いルンバ800、600シリーズにおいても、iRobot HOME アプリに対応した幅広いラインナップを展開すること、アプリ操作で可能になる新たな機能を、より多くの方に体験していただけるようになります。これは、スマートホームテクノロジーの利点を誰もが体験できるようにするための重要なステップです」

現在、ロボット掃除機の「ルンバ」と床拭き掃除機の「ブラーバ」は、世界60カ国で1800万台以上の累計販売台数を売り上げている。日本におけるマーケットシェアも61%を誇り、2015年には国内累計出荷台数は200万台を突破。さらに今後も伸びるであろうスマートホーム市場について、アイロボットは「Simple」「Automated」「personal」の3つのビジョンを掲げている。「Wi-Fi対応のアイロボット製品がより積極的にIoT市場に関与して、市場を引っ張っていければと思っている」と、アイロボットジャパン 代表執行役員社長 挽野元氏は語った。

掃除を含む家事から人が解放されることは、何を意味するのだろうか。ただ怠惰な生活を送るのではなく、テクノロジーが肩代わりした時間によって、先述したようにクリエイティブな行動に費やせるというのがアイロボットの考えだ。確かに日々のルーティンが少なくなるほど、余暇は生まれる。進化を続ける「ルンバ」が描く未来に、今後も期待したい。

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