博報堂DYホールディングスは、全国の15~69歳の生活者を対象に「AIと暮らす未来の生活調査」を実施し、その結果を公表した。

■生成AI関連サービスの認知、利用経験

生成AI関連サービスを1か月に1回以上利用している人(利用層)は全体の8.0%となり、利用層も含めて、生成AI関連サービスの認知層は全体の28.7%だった。

生成AI関連サービスの認知、利用経験

■各AI関連サービス利用層の性年齢

生成AIサービス利用層(利用層)の平均年齢は38.8歳で、性年齢構成をみると、各AI関連サービス利用層において、全体と比べて10~30代男性の比率が高いことが分かった。

画像系AIサービス利用層は10~30代の男性が全体の約4割を占め、10代後半の女性が11.1%、20代女性が10.5%と、若年女性の高さも目立った。

各AI関連サービス利用層の性年齢

■利用層の生成AI関連サービスの利用用途

利用層に実際の利用用途を聞いたところ、月1回以上の利用で「翻訳作業」が1位となり、次いで「情報収集・処理・まとめ」、「エンターテイメント・暇つぶし」が続いた。

また、5位に「対話での情報検索」、11位に「アイデア出し/ブレインストーミング」、12位に「話し相手・相談」がランクインするなど、生成AIならではの利用用途も多く並んだ。

利用層の生成AI関連サービスの利用用途

■AIへの期待度

AI技術全般への期待について聞いたところ、AIに「期待を感じる」との回答は全体で73.7%、利用層では93.1%と、9割を超える結果となった。

AIへの期待度

■今後AIを使ってできると面白いと思うこと

今後AIを使って何ができると面白いと思うかを聞いたところ、全体での1位は「AIにわからないことを質問・相談する」で19.7%だった。

また、2位の「AIが自分の趣味範囲を広げてくれる」、3位の「AIの助けによって自分が苦手なことにもチャレンジできる」、7位の「AIが自分の得意な領域をさらに伸ばしてくれる」など、AIが自分の興味や能力を広げてくれることに期待する声も上位に並んだ。

利用層では1位・2位は全体と同じものの、「AIで、創作・表現をして楽しむ」「AIを自分のアシスタントにして仕事をする」、「AIを教師にして勉強する(学ぶ)」など、より具体的な目的にAIを活用しようとする回答が上位に並ぶ結果に。

今後AIを使ってできると面白いと思うこと

■AIに関する未来シナリオへの受容度

人間とAIが共存していく中で、将来的に起こりうる様々な「未来シナリオ」を提示し、望ましい将来と感じるかを聞いたところ、様々な領域でのシナリオが支持された。

全体では「AIの情報とスマートシティ技術を組み合わせ、交通の流れを最適化し、渋滞を軽減する」が77.5%、「勉強の苦手な部分をAIが過去にさかのぼって診断し、苦手を無くしてくれる」が75.7%で上位に並んだ。

利用層もほぼ同様の傾向だが、全ての項目でAIの未来シナリオの受容度が高い結果となり、「AIのパーソナルドクターが、人間が気づかない肉体的・精神的なケアをサポートしてくれる」が85.5%で最も支持された。

AIに関する未来シナリオへの受容度

■AIは現在どのような存在か、将来的にどんな存在になってほしいか

現在のAIは例えるならどのような存在かを聞いたところ、「面倒なことを処理する作業員、事務的な職員、サービスマン」「自分向けのおすすめや疑問を解決してくれるアドバイザー」などの回答が多く、AIを「便利」な存在として捉えている様子が伺えた。

また、3位には「得体の知れない、怖い存在」がランクインし、AIとの距離感も垣間見える結果になった。

次に、将来的にAIがどんな存在になってほしいか期待について聞いたところ、1位と2位は現在と同じ結果となったが、現在と将来の差分に着目すると、増加の大きさ順に「自分を強めてくれる自分の一部分」、「一緒に目標を達成する仲間・バディー・相棒」、「安心できる家族」となった。

AIは現在どのような存在か、将来的にどんな存在になってほしいか

【調査概要】
調査名称:「AIと暮らす未来の生活調査」
調査方法:インターネット調査
調査時期:2023年10月
調査地域/対象者:全国 15~69歳の男女
調査機関:マクロミル
有効回答数:2,400人
分析/集計機関:エム・アール・エス広告調査
※集計結果は事前調査結果出現率により算出

<参考>博報堂DYホールディングス『博報堂DYホールディングス、「AIと暮らす未来の生活調査」を実施