人材サービス事業を展開するヒューマネージは、企業で実施されたストレスチェックおよびエンゲージメント・サーベイの分析結果を発表した。
同結果は、ヒューマネージが提供するストレスチェック「Co-Labo」、およびエンゲージメント・サーベイ「Qraft」を2022年に実施した約57万人、さらに3年間の経年データを対象とした計187万人もの大規模な分析調査の結果とのことだ。
■高ストレス者は昨年に引き続き「増加」。コロナ禍3年間の悪化傾向が明らかに
2015年12月より、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止を主な目的として、従業員数50人以上の事業所では年1回の「ストレスチェック」の実施が義務づけられている。
ストレスチェックを実施後、ストレスによる不調が顕著に出ている人や現在ある程度の不調が出ており今後さらに不調化するリスクが高い人を「高ストレス者」として選定し、「高ストレス者」と選定された従業員が申し出た場合、企業は医師による面接指導を実施する必要がある。
企業で実施されたストレスチェックの結果について、「高ストレス者」の割合を、コロナ禍1年目(2020年)、2年目(2021年)、3年目(2022年)で比較したところ、高ストレス者の割合が増え続けていることが判明。
すべての年代で増加し続けており、コロナ禍の3年間、働く人々のストレス状態は悪化し続けていたと言える結果となった。

■20代と30代の「疲労感」が目立つ。本格的なメンタルヘルス不調に進む前のケアが必要
ストレス反応(ストレスによっておこる心身の反応)については、全体として平均的な水準といえるなか、20代、30代の「疲労感」の強さが目立つ結果に。図表では、3を標準として、得点が高いほど良好(薄青~青)、低いほど悪い状態(薄赤~赤)であることを表している。
「身体愁訴」(身体の何らかの不調)の値は平均的~やや良い結果といえるので、「身体が悪いわけではないものの、負担感や疲労感が強い」状態となっていることがわかる。
一般的に、ストレスによる不調は、初期段階として「疲労感」があらわれ、その後、イライラ感→緊張感→身体不調感→憂うつ感へと進行すると言われているため、初期段階の「疲労感」があらわれている20代、30代については、本格的なメンタルヘルス不調に進む前のケアが必要と同社は考察している。

【調査概要】
調査時期:
2020年/2019年12月~2020年11月
2021年/2020年12月~2021年11月
2022年/2021年12月~2022年11月
調査票:
ストレスチェック『Co-Labo』(『職業性ストレス簡易調査票』+独自設問が追加された調査票)
エンゲージメント・サーベイ『Qraft』
対象者数:
729,410名(2020年)、567,004名(2021年)、570,040名(2022年)
<参考>
ヒューマネージ『企業で実施されたストレスチェックおよびエンゲージメント・サーベイの分析結果』