ユーグレナは、成田国際空港(以下、NAA)が設置・運用する給油ハイドラントシステム(※1)(以下、ハイドラント施設)に、同社が製造・販売するSAF(※2)「サステオ」を導入すると発表した。

陸上搬入施設

国内空港のハイドラント施設に国産のSAFを導入するのは、今回が初の取り組みとなる。

通常のジェット燃料や輸入SAFは、NAAの千葉港頭石油ターミナルにタンカーによって搬入され、パイプラインにより成田空港まで輸送された後、空港内の地下を走るハイドラントシステムを通じて各航空機に給油されている。

成田空港は、サステナブルNRT2050に基づくSAFの受入体制の整備として、新たに第2給油センターにおいて陸上搬入施設の供用を開始。今回、同社の「サステオ」は、同施設を利用してタンクローリーにより成田空港へ直接搬入するという。

陸上搬入路イメージ図

同社が供給する「サステオ」は、原料に使用済みの食用油と微細藻類ユーグレナから抽出されたユーグレナ油脂等を使用し、同社のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントにて製造、併設タンクで石油系ジェット燃料と混合した環境負荷の低い燃料で、ASTM D7566規格に準拠しているとのことだ。

「サステオ」は、燃料の燃焼段階ではCO2を排出するが、使用済みの食用油の原材料である植物もユーグレナも、成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、燃料を使用した際のCO2の排出量が実質的にはプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルの実現に貢献すると期待されているという。

なお、ハイドラント施設への「サステオ」の搬入は、個別の顧客からの発注に応じて実施。初回の搬入は9月16日で、今後も新たな発注に応じて順次搬入を進めていくとしている。

※1 航空機で使用するジェット燃料を安全・安定的に輸送するために、NAAが設置・運用する給油システム。

※2 Sustainable Aviation Fuelの略称で、動植物油脂や廃食油等の持続可能な原料により製造された燃料を従来のジェット燃料に混合したもの。従来のジェット燃料と同等の性質と規格認証されていて、CO2排出量の削減効果があるとのこと。