Hondaは、Red Bull Group(レッドブル・グループ)とモータースポーツのさらなる発展を目指して2022年以降のモータースポーツ領域を中心とした新たな協力関係について合意したと発表した。

2020年10月2日に発表した通り、Hondaは2021年シーズンをもって、FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)へのパワーユニットサプライヤーとしての参戦を終了し、F1で培った技術と人材を将来のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みにシフトしていくとのことだ。

一方、モータースポーツ活動は変わらずHondaのDNAであり、参戦しているカテゴリーでのNo.1を目指しチャレンジを続けていくと同時に、モータースポーツそのもののさらなる振興に努めていくという。

今回のレッドブル・グループとの新たな協力関係は、そのHondaの取り組みのひとつであるとのことだ。

今回の合意では、Hondaがレッドブル・グループからの要請のもとに、Hondaのパワーユニット(以下、PU)技術をレッドブル・グループが2022年以降のF1に参戦するために使用することを許諾し、レッドブル・グループ傘下のScuderia AlphaTauri(スクーデリア・アルファタウリ)とRed Bull Racing(レッドブル・レーシング)のF1参戦を支援していくという。

主な合意内容

・パワーユニットに関する知的財産権の使用許諾
・HondaによるRed Bull Powertrains(レッドブル・パワートレインズ)への2022年シーズンにおけるPUの組立支援や、サーキットおよび日本におけるレース運営サポートの実施
・現在、Hondaの英国におけるF1参戦活動の拠点であるHonda Racing Development UK(ホンダ・レーシング・ディベロップメント・ユーケー)従業員の、レッドブル・パワートレインズへの転籍

また、日本におけるモータースポーツのプレゼンス向上に向けて重要となる日本人ドライバーの育成への取り組みも、レッドブル・グループと継続して行っていくとのことだ。

Hondaの展開する育成プログラム「Honda フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」とレッドブル・グループが主催するプログラム「Red Bull Junior Team(レッドブル・ジュニアチーム)」で連携し、角田裕毅(つのだ ゆうき)選手に続くF1をはじめとした世界のトップカテゴリーで活躍する日本人の若手ドライバーを共同で育成していくとしている。

さらに、レッドブル・グループがグローバルで行っているさまざまなスポーツやブランディング活動とのコラボレーションも強化することで、Hondaの企業姿勢やモビリティの多彩な魅力を発信していくという。

なお、こうしたモータースポーツ活動を推進していくために、現在Hondaの二輪レース活動を運営しているホンダ・レーシング(以下、HRC)に四輪レース活動機能を追加し、Hondaのモータースポーツ体制を強化。

二輪・四輪の分野でそれぞれが持っている技術・ノウハウの相互連携と運営の効率化を図ることで、より強いレースブランドを目指し、モータースポーツ活動に取り組むという。

また、上記のレッドブル・グループへのF1参戦活動に関する支援は、HRCが行うとしている。

Hondaはライダー、ドライバー、エンジニア、メカニックのほか、チームスタッフをはじめとしたHondaのモータースポーツ活動に関わる全世界の人々が一丸となり、世界中の人々に夢や感動を届けることができるようにこれからも取り組んでいくとのことだ。