クックパッドとパナソニックおよびその傘下のパナソニックAWエンジニアリング(以下、パナソニックAWE)は、料理を楽しめるキッチン空間を実現した単身世帯向け賃貸住宅リノベーションプランの提供を2021年9月9日より首都圏に限定して開始すると発表した。

リノベーションプランではパナソニックの「料理をもっとラクに、もっと楽しく」がコンセプトのキッチン「Lacucina(ラクシーナ)」と、パナソニックAWEの間取りを含めた空間設計や造作施工を掛け合わせて、充実したキッチン空間をトータルで提供するという。
また同プランのキッチンは、クックパッドが策定したキッチンの充実度を示す「たのしいキッチンスコア」を基準に仕様が定められ、モデルプランのスコアは75KiT以上となっているとのことだ。
これは一般的なファミリー向け60平米台の間取りに設置されるようなキッチンと比べても高いスコアとなっており、毎日の料理を楽しめる環境を単身世帯向けの賃貸住宅でも提供することが可能になるとしている。

さらに同プランを採用したリノベーション物件は、クックパッドが運営する「たのしいキッチン不動産」のポータルサイトに掲載され、充実したキッチン環境の賃貸住宅を求めている単身者とのマッチングを行うという。
キッチン空間を充実させることによって、賃貸物件を所有されているオーナーの資産価値向上に加え、入居者のマッチングまでをワンストップで提供することで、物件オーナーの資産効率の向上に取り組んでいくとしている。
■同リノベーションプランの概要
・L型キッチン採用モデルプラン
キッチンスペースの独立感を醸成するL型キッチンを採用。キッチンと居室との間にマルチ収納兼ダイニングテーブルを設えることで、居室側にキッチン設備が見えないように配慮し、キッチンスペースを充実しながらも、居室でもしっかり落ち着けるワンルーム空間に仕上げたモデルプラン。

・Ⅱ型キッチン採用モデルプラン
居室を犠牲にせず、ビルトイン食洗機も設置可能なⅡ型キッチンを採用。広々した作業面に、備え付けのカップボード、壁面ウォール収納も備えた充実のキッチン空間。通路を挟んで作業面をズラして配置し、友人との複数人調理にも対応できる単身者のライフスタイルに寄り添ったモデルプラン。

■今回の協業の実施背景
昨今、未婚率の増加や核家族化の影響を受けて、単身世帯が増加しており、2040年には単身世帯の割合は約40%に達すると予測されている。
また、都内の単身世帯向けの賃貸住宅では、約4割が延べ面積29㎡以下となっており、これらの住宅に備え付けられたキッチンは、まな板も置けない狭い調理スペース、同時調理が困難な一口コンロ、調理器具や食器を収納するスペースが少ない等、料理がしづらい環境の場合がほとんどであるとのことだ。
そんな中、クックパッドが2019年に行った調査では、引越し先の物件を選ぶ際に重要視される「駅までの距離」「家賃」「リビングの広さ」の各条件を妥協しても「充実したキッチン環境がある物件を選ぶ」と答えた人が過半数を超える結果となり、優れたキッチン環境を備えた賃貸住宅の需要が浮き彫りとなった。

こうした状況を踏まえ、システムキッチンを含む様々な住宅関連設備を提供しているパナソニックおよび傘下でプラン・造作設計と施工を担うパナソニックAWEと、キッチン環境の改善を通じて料理を楽しくする「たのしいキッチン」事業を行うクックパッドでこれらの課題について協議した結果、共同で賃貸住宅のリノベーションプランを提供することで解決に取り組むことになったという。
今後も同協業を通じて、キッチン環境に関連する様々な社会課題に対する解決策を見出し、住空間の改善を通じて誰もが料理を楽しめる環境づくりに取り組んでいくとしている。