パナソニック システムソリューションズ ジャパン(以下、パナソニック)とクマヒラは、世界最高水準の顔認証技術を提供するパナソニックの「顔認証APIサービス」を活用し、シリンダー鍵などの物理的な鍵の管理を非接触かつストレスフリーな顔認証で実現する、顔認証・鍵管理サービスの事業化に向けて開発、製造、販売を共同で推進・開始することを発表した。

なお、2020年7月にパナソニックが発表した「現場センシングソリューション」の事業戦略における、パートナーとの事業共創の一環として、パナソニックとクマヒラが共創パートナーとなり、推進・開始するとのことだ。

■事業化に向けた背景

近年、オフィス・ビルにおいて電気錠・ICカードやスマートロック、生体認証などの普及によるキーレス化が進む一方で、非常時の対応用としては従来のシリンダー鍵などの物理的な鍵が使用され続けている。

また、コストや利便性の点からキーレス化に適さない鍵も多く存在し、鍵の厳正な管理が求められているという。

クマヒラは、このような鍵の管理において鍵管理機を用いた「鍵管理システム」として提供することで自動化しているが、本人照合時間の短縮化および本人確認の厳正化、また「鍵の保管」・「利用者の制限」・「履歴の記録」といった管理の無人化が喫緊の課題となっているとのことだ。

一方、パナソニックはICカードレス入退室などの現場において世界最高水準の顔認証技術を提供。

今回、外部サービス(システム)との連携を可能にする「顔認証APIサービス」を活用し、クマヒラと共同で新たなサービスの事業化に向けて開発、製造、販売することで、これまで提供が困難な現場においても非接触かつストレスフリーな顔認証の利用を実現するとしている。

なお、顔認証・鍵管理サービスは参考展示として第29回セキュリティ・安全管理総合展「SECURITY SHOW 2021」のクマヒラブースにて展示を予定している。

両社は、これまでセキュリティ関連の販売パートナーとしてネットワークカメラやセキュリティゲートとの連携を推進してきたが、今後は顔認証・鍵管理サービスの事業化を契機に両社のもつ製品群との連携をより一層強化し、共創によって企業のお客様へ安全性・利便性を提供し、ビジネスの成長をサポートしていくとのことだ。

顔認証&フィジカルセキュリティでサービス事業を共創

パナソニックの顔認証技術について

パナソニックの顔認証技術は、ディープラーニングを応用した世界最高水準の顔認証技術。顔の向きや経年変化、メガネなどにも影響されにくく、快適に利用できるとのことだ。

パナソニックは、これまでにも空港での厳格かつ円滑な本人確認や、アミューズメントパークでのチケットレス入退場、店舗でのキャッシュレス決済、オフィスでのICカードレス入退室などで、顔認証技術を応用したシステムを展開しており、1日10万回超の固有の顔認証を達成してきたという(パナソニック調べ)。

また、2020年11月には新たに顔認証SaaSプラットフォームを提供開始し、顔認証のサービスラインアップを拡充している。

顔認証&フィジカルセキュリティでサービス事業を共創

■クマヒラの「鍵管理システム」について

「鍵管理システム」は、鍵管理台帳をもとに行っていた鍵の「保管」、使用者の「制限」、取り出しと返却の「記録」といった管理業務の手作業を、鍵管理機で自動化することにより管理の正確性と効率性を高めることができる製品とのことだ。

持ち運びができる小型タイプから大規模管理が可能な大容量タイプまで幅広いラインナップを揃え、金融機関、官公庁・自治体、流通・小売といった様々な業界で使えるという。

オフィスビルや工場における重要鍵の管理や組織の内部管理、車両予約システムとの連携といったビジネスユースにとどまらず、近年急成長しているシェアリングサービス等にも活躍の場は広がっているとのことだ。