大日本印刷(以下、DNP)は、ECサイト・通販業務支援システム「CommerceLine SP」に、外食・中食業界向けの宅配予約や店舗受け取り(テイクアウト)の受付機能を追加し、提供を開始すると発表した。

この新機能は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた外出自粛などによってニーズが高まる宅配やテイクアウトに対応したものであるという。

店舗の状況に応じた注文数の上限や受け取り時間の管理が可能で、人手が不足しがちな店舗の業務効率化や新たな顧客の獲得、既存顧客とのエンゲージメント(関係)強化などを支援するとのことだ。

今回追加した機能の特徴は以下。

  • 店舗状況に応じて「注文上限の設定」や「受取時間」を管理
  • チェーン店本部と各店舗の両方でシステムの利用・管理が可能
  • 集客や購入後の顧客フォローに必要なマーケティングが可能

国内の出前市場の規模は、2018年時点で前年比5.9%増の4,084億円となり、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛などにより、宅配やテイクアウトの伸びが予想されている。

また、ECサイトで購入した商品をリアル店舗で受け取る「BOPIS(Buy Online Pickup In Store)」が、店舗で商品を探す時間の短縮、受取時の商品の確認や返品が可能なことから、新しい購入スタイルとして注目されているという。

これに対して、リアル店舗でのサービスが中心の外食チェーンなどでは、宅配やテイクアウトに対して、電話やECサイト等の注文受付の体制やシステムを構築する必要があるなど、業務の効率化と負荷の軽減が課題になっており、他社が運営するモール型受注システムを利用する場合、顧客との継続的なエンゲージメントを強化できないという課題があったとのことだ。

こうした課題に対してDNPは、ECサイトに必要な機能を標準装備したCommerceLine SPに今回、「店舗受取」「宅配予約」「事前決済」等の機能を実装。

宅配やテイクアウトに対応するとともに、メールを通じて顧客との接点が取れるようにすることで、企業の売上拡大や業務効率化を支援するという。

なお、今後の展開として同社は、CommerceLine SPを大手外食チェーンをはじめ、外食・中食業界に広く提供するとともに、今後も機能を拡充させ、企業や店舗スタッフの業務効率化を支援していくとしている。

また、ECサイトや実店舗における生活者の体験価値(カスタマーエクスペリエンス)の向上に向けて、企業のデータの活用を支援し、企業と生活者のエンゲージメント強化を支援していくとのことだ。